まず、「なぜこの店に行ったのか?」という経緯について触れておく。
この店自体はもはや10年近く前になるのか、1度行ったことがあり、その時はまだここまでラーメン二郎の魅力についてよく理解していなかった状態で、ひたすらにダークな店内、モヤシ100パーセント野菜、薄めのシャバったいスープ、脂身成分が半分以上の豚、味も特に印象に残らず、ただ多かったという記憶。
特別に良いものではなかった。
ラーメン二郎の魅力にハマってからも、その時の記憶があるのと、最近でもネットで検索した画像を見ても、モヤシ100%のビジュアルやその豚の感じからあんまり唆られずにスルーしていた。
そんな折、先月初訪問をしてから個人的にちょっとツボだった店「ラーメン髭」。
こちらの麺が特にうまいなぁと思って調べていたら、この店の系譜は今は亡き「ラーメン二郎武蔵小杉店」やこの「ラーメンこじろう 526 武蔵小杉店」であると。
[参考]
そして、割と最近にラーメンゼンゼンの店主がここに行って麺を称賛している記事を見かけた。
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今になって、自分はもしかしたらこの武蔵小杉店の系譜が好きなのかもしれないと思ったのだ。
というわけで、改めて検証しておくべきだなと。
今回は良いタイミングができたので訪問。
到着。19:15頃。
改めて、店構えからオーラがやばすぎる。
裏手にはこの建物自体を植物が覆い尽くさんとしている。
ここだけ時が止まっているかのようだ。
店内入ってすぐ右手にカウンターの上に乗せるように小さな券売機が。
シールの無秩序具合も少々カオス。
ラーメン(小) 700円を購入。
ぺらぺらのレシートのような券には印刷がめちゃくちゃ薄くて霞んで読めたものではない状態。
店主は分かるのだろうか?と思うが、いつ確認したかも分からないけどいつの間にか作り始めてる。
店主はやたらと色黒で寡黙。こんなだったと思い出す。
給水機は出が悪い。
コップ一杯分注ぐのにかなりの時間を要した。
改めて適当な空いている席に座る。
このご時世だからということもあるか、店のドアは開けっ放し。数席のカウンターのみ。空席もちらほら。
客層はスーツ姿のサラリーマンや、なんかよく分からずに入ったというような感じの年配の男性、慣れてそうな年配の男性など。
若い女性が一人でいたらかなり不思議な空間になりそうだ。
待ち時間はほんの3分くらいだろうか?
カップラーメン並みの速さであっという間に完成してコール。
ちなみにコールの際に店主は一目を合わさないず、「ニンニクー」みたいな独り言に近しい感じなので、そのタイミングを逃さないようにカウンターを注視しておく必要がある。
ニンニク野菜で。
事前情報でアブラは液体系だと掴んでいたことや、カラメはまだ勝手が分からないのでオミット。
若干片側に偏ったモヤシの塔。丼からのはみ出し具合も現場相応。野菜はやはりモヤシオンリー。
スープに背脂が浮く感じはラーメン髭のアブラコールを彷彿。
丼の直径自体は小ぶり。
さて、気になる麺だが、やはりうまい。
少し硬目で小気味良いのが、読み通りラーメン髭のそれに近いものを感じる。
強いて言えば、ラーメン髭の方が若干全粒粉的なざらつき感が強めで個人的には僅差で髭派ではあるが、こちらもなかなか。
今回は緊張もあったので手際に食べていたが、この麺実はかなり長いらしい。
シロナガス麺とも呼ばれているみたい。
いつか引っ張り出し切ってみたい。笑
麺量そのものは、一般的な二郎/二郎系店舗と比較してやや少ないかな。
豚は半分が脂身の塊という漢気。
他の二郎店舗だったら切り離して刻んでトッピングアブラにするレベルのアブラだ。
個人的に結構苦手なタイプ。
前回も確かこんなだったなぁと思い出す。
固形肉の部分から恐る恐る食べてみるが、意外にも柔らかくてしっとり味もついててうまい。
脂身の部分も、トッピングアブラくらいの量を少し嚙ってみたが、適度な弾力感で食べている感じもあり意外と大丈夫。
下手にブヨブヨしていないのが良かった。
野菜はデフォルトでシャキ系で、後半はスープを吸って少しクタってくるのもまた変化が楽しめて良かった。
途中で後客が来たが、閉店とのことだった。その時まだ19:20頃。
結果的に自分が最後の客だったのだが、営業時間はかなり短いと見て良い様だ。
丼をカウンターに上げて「ごちそうさまです」と店を後にすると、「あーしたー」みたいな感じで、空に向かって独り言の様な感じの声が聞こえてきた。
昔食べた時には何も意識していなかったが、今こうして改めて歴史を紐解きつつ食べるとなんかちょっしみじみするものがあった。
正直あまり期待しないで行ったが、悪くなかった。
かと言って連食したいくらいハマるほどでは無かったが。
待ち時間もほぼ無いし、仕事の合間とかにサクッと通りがかりで寄るような場合、いわゆるビジネス喰いをする分には全然ありかと。
また機会があれば。